2012年3月10日(土)南三陸町

2012年3月10日(土) 一般参加者33名+報道関係者2名+リーダー4名

もう1年とみるべきか、やっと1年とみるべきか。
とにかくその節目を翌日に控えたこの日、わたしたちは南三陸町にて23回目の支援活動を行いました。町はいつになく人や車で溢れ、VCのテント前にもテレビ中継車がデンと陣取っています。また、ボランティアも、全国各地から大勢が集まり、「まるで夏の頃のようだ!」とセンタースタッフさんも嬉しい悲鳴をあげていらっしゃいました。

わたしたちは他3団体さんと一緒に竹川原という地区で瓦礫撤去・分別作業を任されました。この地区もやはり一帯を津波にのまれてしまったらしく、建物も基礎ばかりを残すのみ、おそらく民家が立ち並んでいただろうことは、屋根瓦やガラス片、コンクリート片に交じって、拾う瓦礫にお茶碗や湯飲みなどの欠片が多かったことなどから推察されました。裏手には、地名にもある竹を生やした小高い丘がありますが、津波はその丘の頂上をも越えていったそうです。
この日はあいにくお天気に恵まれず、朝方でやむはずの雪も予報が外れ、けっきょくほとんどの時間を雪や小雨のなかで活動する羽目となりましたが、モチベーションの高い参加者のみなさんには、この悪天候も、作業の妨げにはならなかったようです。もう何度も何度も参加されている常連さんたちがお顔を揃えてくださり、雨ニモ雪ニモ負ケズ、慣れた手つきで黙々と作業している姿は、見ていて惚れ惚れするほど頼もしいものでした。また、最近仲間に加わってくださった方や初参加の方も、常連さんたちにコツを教わったりしながら懸命に瓦礫を掘り起こしていました。
雪が降っていたとはいえ、もう先月のように地面は凍結しておらず、この町にも春の訪れが近付いていることを感じさせました。常連さんのおひとりが、一面海の砂をかぶった地面のところどころからスイセンだかヒヤシンスだかの葉が顔を覗かせているのを見つけて、「海水をかぶってしまった木々はダメになってしまったのに、こんな小さな命が頑張って花を咲かせようとしているのだから、わたしたちも負けられないね」とおっしゃった言葉がとてもとても印象的でした。
それから、これは現地リーダーさんが教えてくださったのですが、現場の脇の道を通り掛かったおばあさんが、作業しているわたしたちにそっと手を合わせてくださったそうです。
作業後、1年の日を前に、全員で海の方角へ向かって黙祷しました。

この日はみなさんから特に気持ちのこもったご感想をいただきました。
われわれの活動を通して、被災地の方々に愛を感じていただけたら…/1年が経つが、ボランティアがコツコツと活動を続ければ、どれだけ時間が掛かっても、確実に復興へ向かって前進できる/自分たちには家を建てることはできないが、家を建てる土地を綺麗にすることはできる/これからもボランティアの意地で頑張っていきたい/自分などが役に立つのか不安だったが、母に、その気持ちがあるのなら行くべきだと後押しされた。参加して本当によかった/誰かがこの活動をやり続けなければならない、その誰かでありたい、等々。最後のふたつは、高校生のおふたりからいただいたお言葉です。
困っている人たちの助けになりたいという純粋な思いから集まる仲間がいて、同じ志を持った仲間とともに汗を流すことの悦びを、この国で、多くのボランティアが感じた1年だったのではないでしょうか。ひとりひとりの力は小さくてどうにもならないけれど、仲間と力を合わせて、被災されてしまった方々が前へ進む際の追い風となれるよう、わたしたちにできる精一杯のことをやる、そしてやるならとことんやる!そんなみなさんのお気持ちを無駄にしてしまわぬよう、わたしたちも、今日まで77回にわたり行ってきたこの活動のさらなる継続のため、今後も尽力してゆきたいと思っています。
参加者のみなさん、現地スタッフのみなさん、運転手さん、ありがとうございました!

※ 今回も現地リーダーさんに許可をいただき、活動の様子を撮影させていただきました。
※ この日同行取材されたFLASHさんの記事は、同誌に掲載されるそうです。


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